西部劇・テレビ・主題曲集

m-poko2005-11-05

私の父が最後に自分自身のために買ったLPレコード。

「なぜこんなものが家にあるんだろう???」
と。理解できるようになる日など来ないものと、ずっと諦めていた。誰かからもらったものなのか。つい買ってしまったけどしまい込んでいただけなのかもしれない。
ところが最近改めて聴いてみたら、突然かっこよく響いてきた。この、女っ気のない、泥っ臭さいかっこよさ、味わい深さがいつの間にか私にもわるようになってたらしい。
そして、カントリーと呼ばれている音楽が、当時たいへんに流行していたことも知った。父は、ちゃんと音楽としてこれを聴いていたことがわかった。
勤めていた会社にオーケストラがあった時期にはバイオリンを習って担当したりしていたという父。こんなアメリカの泥臭い音楽も好んで聴くような人だということを、私はまったく知らなかったのだ。

その後父は私が1歳の時に亡り、私は兄の影響で11歳のころロックのビートに目覚め、兄と一緒にその上の世代のカルチャーを後追いするようになっていった。そんな私を見たら、父は失望しただろうと、後ろめたさが消えることがなかった。

ところが、なんだこれなら、父はその後、カントリー〜そしてひょっとしたらロックも楽しんで聴くようになっていったのかもしれない。私たちのことも、むしろいっしょに音楽を楽しめるよき理解者ができたと、父にとってもうれしいことだったかもしれない。

もともと自分から音楽を聴くような耳を持たない私。ラジオ「DAISY HOLIDAY!」でカントリーなどもかけられるのを耳にするようになっていたことが、このことの下地になっていたのかもしれない。

そして、このLPを聴いてもう一つわかったことがあった。
・・・父は生前、幸せだったのだ。

〈A面〉
  ローハイド
  ガンスモーク
  パラディン
  ハイウエイ・パトロール
  ララミー牧場
〈B面〉
  シャイアン
  マーベリック
  ボナンザ
  バット・マスターソン
  ブロンコ

原曲を聴いたことはないのですが、収録されている「ブロンコ」などは途中スウィングが入ったりしてて、音楽的な豊かさも楽しめる感じで、驚きました。